プログラミングの心理学

プログラミングの心理学―または、ハイテクノロジーの人間学 25周年記念版

プログラミングの心理学―または、ハイテクノロジーの人間学 25周年記念版

この本、素晴らしすぎ。さすが25年も絶版にならずに生き続けたことはある。
たぶん、あと25年経っても古くさくならない内容。25周年記念版では、内容的に現代だと理解が難しい箇所に注釈がついていたり、著者による「今はこの問題についてどう考えているか?」が各章末に記載されている。
ソフトウェア技術者のマネージャをやっている、またはやろうと思っている人間には必読の書ではないだろうか。
ただ難点は、古い本だからだろうか、言い回しがやたら理解が難しい表現になっている。電車の中で読むにはちと辛いかも。

  • もしあるプログラマがかけがえのない人物だというなら、彼をできるだけ早く追い出せ
  • エゴレス方式(現代で言うところのXPの一部!)

性格に関する記述はオモシロイ

(以下は引用の引用)

性格とは、個人が絶えず変化する環境に適合しようとして行う試みを決定し、またその試みによって修正されるところの、その個人の諸特性全体からなる固有の統合体である。

つまり、よく言う「「性格」が悪い」とか「「性格」が良い」とか言う表現は、”個人がある環境に適応しようとして引き起こす発言または行動が、ある人にとって「良い」とか「悪い」とかいうこと”と言い換えられる。何を言いたいかというと、ある人が「良い」とか「悪い」とか感じていることは、それは全て個人の問題ではなく、個人がおかれている環境に依存するというこ。つまり「性格」が「悪い」人間が本当に「性格」が悪いかというと、そうでないかもしれないと言うこと。「性格」を判断するには、その人がおかれている環境を考慮に入れる必要がある。環境が個人にとって適切であれば「性格」を「良く」保てる可能性がある。イケてるリーダーってのはここら辺を本能的に理解してるんだろうなぁ。

リーダーとその上司との関係について

  • 上位の管理者たちは、いかに強く約束を迫ろうとも、実は結果を求めている(ただ、それを管理者も理解していないことがある)
  • 結果は、チームの全面的参加のもとに設定された目標を追求する、という形で達成する方が、ずっとたやすく達成できる

つまり、

  • 上司がいくら短い期日をせまっても絶対期日をできる期日より短く設定してはいけない
  • チーム内で成果物と期日についてコンセンサスをとる