企業内人材育成入門

前々から、OJTという名の放置と、OJTの現場で訳知り顔でオレ流教育する人を見るとイライラしてたのと、不幸にも自分の教育をうける羽目になった人の、「人生のムダ」指数低減のために買ってみた。
「初めての課長の教科書」の人がすすめてたので。ってのもある。

企業内人材育成入門

企業内人材育成入門

基本的には人事の人向けの本なので、後半は眠かった。前半のメモ。

熟達化

ある領域に熟達化するためには、deliberate practiceが必要。
5000時間くらい。
#天才レベルだと1万時間?
#つまりは、そんな簡単にはシロウトが一人前にはならない。


認知的徒弟制度:熟達化のための一つの学習モデル

  1. モデリング(やってみせること)
  2. コーチング(指導、助言)
  3. スキャフォルディング(部分的な支援)
  4. フェーディング(支援のfading)

教育と学習の違い

状況論的には、
「学習」=日常の中で継続的に変化する行動・考え方が変化するプロセス
「教育」=「学習」を効果的、効率的に実現するための支援活動
「教育」は支援なので、効果的にやるには、どの「学習」をどう支援するのかを明確にする必要がある。

学習転移モデルとその支援のありかた

知識創造→知識伝達→知識習得→知識応用
基礎→応用 のように教育する。知識が状況の境界線を超えて適用可能であるという、知識観に基づいている。
学校でやるような学習のモデル。


理論体系が整備された知識を学習するための学習モデル。経験知識、事例知識の学習には不向き。
教育が、どのように現場に役立つのかを理解を得ることが重要。
応用力の修得は、現場での経験。

経験学習モデルとその支援のありかた

実践→経験→省察→概念化
現場主義向きの学習方法。学びかたを学ぶ。


省察、概念化をファシリテーションや理論等で支援する。

批判的学習モデルとその支援のありかた

批判=当然を当然と思わずに、現状を省察し、問題意識を持つこと

学習者が、「何が重要課題か」を見極めて、その課題を解決するために支援すること。


学習者の置かれた状況を一歩引いて観察し、学習者が無意識の行動を批判的に振り返ることが出来るようにするようなディスカッションを行う。

正統的周辺参加モデルとその支援のありかた

本物の仕事の中で、学習が効果的に行われるように、学習と仕事をミックスして行う。

動機付けの基礎

生理的動機
生存に関わる欲求
親和的動機
「仲間に存在を認められ、仲良く行動をともにしたい」という欲求
達成動機
「目標に向かって何かを成し遂げたい」という欲求

達成動機度=成功への近接傾向-失敗回避傾向
難しすぎる課題や、失敗のペナルティが大きいと、達成動機度が小さくなる。

学習のやる気を高める方法

自分自身に状況を変える力があり、主体的に行動していると感じるとき、人間の内発的動機付けは高まる。
学習の結果が、外部から強権的に決められたり、自分の能力では結果が変えられないと思うときに、学習意欲が低下する。


無気力は学習される。(状況が改善しても、学習された無気力が改善されない)

#P129:表13は興味深い

ARCSモデル
注意(Attention)
興味関心を引くこと。「面白そうだなぁ」と思わせる。
関連性(Relevance)
学習目標に親しみを持たせる。「やりがいがありそうだなぁ」と思わせる。
自信(Confidence)
ゴールを明示し、成功の機会を与える。「やればできそうだ」と思わせる。
満足感(Satisfaction)
学習の結果を無駄に終わらせない。「やってよかった」と思わせる。

インストラクショナルデザイン

  • 求められていることを明らかにする。
  • 学習目標の「目標行動」、「評価条件」、「合格基準」の点を明確化する。
  • 学習対象が誰なのかを明確にする。